三重県いなべ市のゴルフ場「京ヶ野ゴルフ倶楽部」で、ゴルフが快適にプレーできるようゴルフコースを整える「コース管理」のお仕事。
スタッフの皆さんは、四季を通して芝を元気に保つための様々な作業を行なっています。
今回は普段なかなか見る機会のないマシンやコース場の裏側を取材しました!
コース管理で活躍するマシンの一部をご紹介!
良いグリーンを保つには芝刈りや水・肥料の散布、地面の環境改善など日々の細やかなメンテナンスが重要です。広いコースを隅々まで整えるのに使われるのが、芝の整備に特化した多彩なゴルフ場用具。実際に京ヶ野ゴルフ倶楽部で使われている中から、代表的なものをいくつかご紹介します。
グリーンモア(芝刈機)
計測器を使って刃を調整。画像右は刈り上がりを「4.21mm」に設定した場合です。
芝の高さを0.1mm単位で調整可能だそうです!
時季にもよりますが、芝が伸びるのは1日に2mmほど。ボールが綺麗に転がる「速い芝」をつくるため、コース管理では季節、天気、その日の芝の状態や翌日の伸び具合まで考えて、毎日繊細な刈り込み作業を行っています。
芝刈機をまっすぐ走らせるには「センス」が必要!?
コース管理の皆さん曰く、「グリーンモアでまっすぐ刈るのって、意外と難しいんですよ」とのこと。機械を押しながら40mを直線でふらつかずに歩く技術が必要……といわれると、確かにちょっと難しそうに感じます。グリーンモアを扱うのが上手い人は、グリーンの芝が分かるためパターがとても上手なのだとか……。
プロフォース ブロア
ノズルは360度自由に回転可能。
後ろについた大きなノズルから、強力な風を送って清掃する「ブロア」。
ノズルの向きや風量などは運転しながら操作することができ、刈り取った芝や秋の落ち葉などを綺麗にしながらコースを周ります。
溝掘機
コース内の水はけを良くするため、排水用の溝を掘る大型の機械。
溝の中には排水管が設置され、排水口に向けて効率よく集水します。溝の上には芝を張りますが、完全に目立たなくなるには2年ほどかかるとのこと。
機械を扱うときは
「無理をしない」「人がいるときは止める」のが鉄則
芝刈機など、刃がついた物も多いコース管理のマシンたち。少しの不注意が、大きな事故に繋がってしまうため安全確認は欠かせません。
また、駆動音が大きい機械はプレーの妨げになってしまうため、お客様の側で扱うのは厳禁。静かな機械も、気付かず接触してしまう危険があります。どんな機械も周囲の安全をしっかり確認した上で、細心の注意を払って使用しています。
本誌でご紹介しきれなかった作業をピックアップ!
「カップ切り」
芝刈りと同じく、日々欠かせないのが「カップ切り」という作業。
ゴルフ場といえばホールカップとそこに立つ旗ですが、実はその位置は毎日変わっているんです。
プレー中はホールカップの周囲に人が集まるため、芝が踏み固められてしまいます。毎朝ホールカップを動かすことで、同じ場所ばかり踏まれて芝が痛んでしまうことを防いでいます。
では、具体的にどうやって穴の位置を動かしているのでしょうか?
実際の作業を見せていただきました!
1. 新しく穴を開ける位置を決めて、専用の道具で地面を円柱型に切り抜きます。
2. 穴を整えてホールカップをはめ込み、旗を立てます。傾いた地面にも、旗がまっすぐ立つように穴を切り出すのがポイントです!
3. ホールカップを抜いた古い穴に、先ほど切り抜いた地面をはめ込んで表面の芝を周囲になじませます。
4. 新しいホールカップの位置をマスター室に連絡すると、お客様が見るGPSのマップも更新されます。
芝の健康とプレー内容に大きく関わる「カップ切り」
ゴルフにおける「ゴール」であるホールカップの位置によって、同じコースでもプレー内容、難易度は変わってきます。その日プレーする組数や天気等による芝へのダメージを考えながら、どこに穴を開けるか決めるのも重要な仕事です。
快適なグリーンづくりに日々尽力しています!
京ヶ野ゴルフ倶楽部のエントランスに毎日掲げられるコースコンディション。
季節に応じて快適なプレーを影から支えるコース管理の奥深い仕事。
その日の作業が1年後、2年後の芝の状態に関わることもあり、先読みしながら作業を進めています。
これからの季節は心地よい春のゴルフシーズン。
特に綺麗な景色を楽しめる時期ですので、ぜひ京ヶ野ゴルフ倶楽部でプレーしてみてくださいね!